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街道を歩く~智頭宿~

今回は鳥取県東部の宿場町智頭。
この町は、江戸時代の鳥取藩主池田侯の参勤交代路で鳥取藩内最大の宿場町である。
町並みの保存状態も良く、当時の町の面影を充分に残している、上品な質感が感じられる町である。

今シーズンの冬は鳥取県でも多くの雪が降った。
特に県東部地区には度々警報級の降雪積雪があったようで、道の両脇に残る雪が生活の大変さを物語っていた。
豪雪が一段落し、久しぶりに冬の光が差す良い天気であった。

撮影日 2026.2.1
camera CANON R6MarkⅡ

印象的な真っすぐに伸びる智頭往来。
街路の中央には、通行する馬が水を飲みやすくするため、水路が設けられていたそうだ。
智頭宿は宿駅として当然に伝馬を多く備えていたであろうから、交通の面で機能的な町づくりが行われていたのだろう。
今は通りの両側に水路が移設整備されている。

町の消防団の建物。
火事が発生した場合には、このはしごをかけあがっていくのだろう。
木造家屋が密集した昔の町。
火災は切実な問題だったに違いない。

屋上には災害を知らせる鐘。
はしご下の赤い表示板に災害の種類等に応じた鳴らし方が記載されてある。
印象的なのは、「近火-連点」とあることだ。訓練の場合は3回突く、町外火災の場合は4回突く等だが、町の中で火災が発生した場合(近火)は”連点”とあるから、鐘を連打することとなっている。
必死に鐘を叩く光景を想像すると、その緊迫度合いが伝わってくる。

団舎の中には、江戸時代に使用されていたものか、消火活動時のシンボル”纏(まとい)”があった。
昔、北島三郎が屋根の上で振ってましたね。古っ。
念のため「暴れん坊将軍」のエンディングのことです(笑)

消防団舎の向かいには、智頭宿の象徴、石谷家住宅がある。参勤交代の際には本陣として使用された。
立派な庭園があるらしいが、次の楽しみに取っておこう。

智頭宿の通りは真っすぐであるが上下にうねるような勾配がある。
とても印象的だ。

智頭往来の道標の標柱(写真右側)。
その前面に、現代バージョンの道案内がセンス良く設置されている。

智頭特産の杉玉。
元々は、杉の枝葉の色が緑から茶色に変わる頃にお酒ができることを知らせるために作られたとのこと。
今では智頭宿のいたるところに飾られている。
こうした統一的なテーマで町を彩るのは、町を歩く観光客にとってもとても心地が良いものである。

これも杉の枝葉でできているのかな?

智頭の町は昔から上町と下町にわかれているそうだ。
白い建物は下町公民館。
旧役場庁舎とのことである。
随所に歴史遺産が保存されており、それを活用した町づくりを行われていることが伝わってくる。

智頭の酒蔵といえば「諏訪酒造」。
日本酒が好きな私は、ついついお店に入り「田中農場 純米吟醸 強力」を購入した。
寒い季節、熱燗が旨い。
お店の上品な奥様らしき方に、こちらのお酒は度数が強いので、お湯で割っても美味しいですよと勧められた。

由緒ある神社、諏訪神社。
どうしようかと迷ったが、結局、参拝すべく鳥居をくぐる。

意外と長い登り坂の参道。
自分の外には誰も居ない。
(こんな雪道であれば、それはそうだろう)
積もる雪で足場が悪く、想像以上に体力を要する。

ズボズボと道なき道を行く。
道なきところを進めば、それが自分の道になるのだ。

カッコつけた割に、少し心が折れかけたが、なんとか本殿に到着~。
立派な拝殿にお賽銭を投じ、お参りをする。

智頭宿では、姫路方面に智頭往来、津山方面に備前街道と大きく二つに分かれる。
古代から続く交通の要衝だ。

鳥取県東部の一級河川千代川。
遠く鳥取市まで続き日本海に注ぐ。
太古から続く川の流れ。
左は牛臥山。