鳥取県旧郡家町の山あいを流れる私都川。
私都川はこの福本の地で南北に大きく蛇行する。
その傍らには、因幡の白うさぎ伝説に由来する白兎神社が鎮座する。
川というものは、遥か遠くから流れてきて、そして遥か遠くに流れていく。
流域には人間の生活があり、それぞれの文化を形成し、やがてそれは統合されて文明へと昇華していく。
それでも川は、静かに、その姿を変えることなく流れていく。
その姿に悠久の歴史を感じる。
ただ、視点を変えて、水分子のようなミクロの世界では、一度たりとも同じ形を形成したことがないだろう。
人間も同じようなもの。日々細胞分裂により入れ替わるその体は、刻一刻とその姿を変容させる。
現代の人々が信奉するであろう物質世界。それでもそれは恒常不変の実態が無いものなのだ。
だからこそ、川も人間も心の表象。ただの観念なのだろうと思える。
止めどもなく流れる川
自分の心の中を悠然と流れていく


