泣きたくなったら浅田次郎

浅田次郎の「天国までの百マイル」を読み終えて、いつも思うけど、浅田次郎の小説は涙が出る。
「40を過ぎたいい大人が」とか「気持ち悪い」とか思わないでいただきたい。本当に感動するのである。
まさに泣きたい時は、浅田次郎の小説を手にとって見るといい。

「天国までの百マイル」は、人生には何が本当に大切で、何が感動を与えてくれて、何をなすべきなのかを教えてくれる作品。
会社が倒産し妻子に逃げられて落ちぶれた人生を歩む主人公の中年男が、一人、心臓病の母親を乗せて天才心臓外科医が居る病院まで車を走らせるというストーリー。
母親の命を顧みない兄弟との葛藤、元妻への仕送り、愛してもいない女に身を寄せる生活、旧友弁護士からの冷たい対応等、いろんな困難を乗り越えて、自分がなすべきことに目覚める。
一人の男が落ちぶれてから再び立ち上がる様を描いたものだが、自分には、その男を献身的な無償の愛で支える「マリ」に一番心を惹かれた。
他の小説でも思うことだが、浅田次郎は、性別の垣根を乗り越えて、驚くほど女性の心情を描くことに長けている。「なんで女性でも無いのにこんなに女性目線の気持ちを描けるのだろう」と思うのである。
この小説も主人公と同棲する愛していない”愛人”である「マリ」無くして、この作品に大きな感動を纏わせることはできなだろう。
現に、自分が読んで感動し涙が出たのは、主人公に対してではなく、その主人公を支え、最終的に男の真の愛を得た上で、男の幸せを願ってその人生から身を引いていくマリの姿についてである。
そのような無償の愛について涙が止まらなくなるのである(「40を過ぎたいい大人が」とか「気持ち悪い」と思わないでいただきたい)。

皆さんも、是非読んでみてはいかが?

浅田作品の他には、「聖夜の肖像」も胸をえぐられるような切ない感動を覚える。

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